冷間工具鋼

冷間で金属を加工する方法は多岐にわたり、その際の表面温度は概ね200°C以下とされています。 冷間加工には打抜き、引抜き、冷間押出、ファインブランキング、冷間鍛造、冷間成形、粉末成形、冷間圧延、せん断(工業用ナイフ)等があります。 各用途に最適な鋼材を選ぶことが重要ですが、その際、成形方法だけでなく、ワーク材(被加工材)の種類も考慮することが必要です。

ASSABは、冷間加工用工具に適した製品として、引掻き摩耗、凝着摩耗、塑性変形、チッピングや割れに対する耐久性を組み合わせ、さらに機械加工性および研削性、熱処理特性にも優れた鋼材を揃えています。

用途に適した鋼種を選ぶ際には、様々な成形方法を用いて工具が破損するメカニズムを分析することから始めることを推奨します。工具寿命を延ばすことができる特性が最適な特性です。

冷間加工における一般的な破壊メカニズムは次の通りです。

  1. 摩耗/チッピング
  2. 塑性変形
  3. 割れ
  4. 焼付き

材料と工具の表面の間に繰返し生じる機械的負荷および摺動接触によって、工具の表面に破損が生じます。 工具の破損は、成形部品の品質だけでなく生産の中断やダウンタイムにつながります。

工具性能を最大限発揮にし、工具寿命を延ばすには、ステンレスやハイテン材の冷間加工で生じるチッピングと割れに対する耐久性を高めることが肝要です。 材料の延性・靭性を高めるための有効な方法に、粉末製法があります。これは溶融した金属を噴霧して粉末状にしてから凝固することで、材料特性を改善する方法です。

ASSABの商品開発の動向は、耐摩耗性および耐久性の高い強靭な鋼材の開発に向いています。 優れた耐焼付き性、耐凝着摩耗性、耐チッピング性および耐割れ性、高い圧縮強さ、焼入れ性、および熱処理時の寸法安定性を有するASSAB SuperClean 粉末鋼種はその成果です。